デザイン思考で解決する開発の悩み

なぜ作ったシステムが使われない?
デザイン思考で解決する開発の悩み

「せっかく時間とお金をかけてシステムを作ったのに、全然使ってもらえない...」そんな経験はありませんか?
実は、これはシステム開発の現場でよく起こる問題です。

今回は、この問題を解決するヒントとして注目されている「デザイン思考」についてお話しします。

1. システム開発でよくある「あるある」な問題

作ったものと求められているものが違う

システム開発でよくあるのが、「作る側が考える便利な機能」と「使う側が本当に欲しい機能」がズレてしまうこと。例えば、こんなケースがあります。

営業チームから「売上管理をもっと楽にしたい」という要望があったとします。開発チームは「それなら高機能な売上分析システムを作ろう!」と張り切って、グラフや表がたくさん表示される立派なシステムを完成させました。

ところが実際に使ってもらうと、営業の人たちが本当に困っていたのは「毎日の売上入力が面倒くさい」ことだったんです。分析機能よりも、簡単に数字を入力できる仕組みの方が求められていたわけですね。

これは開発側が「こうあるべき」と考えることと、現場の人が「こうしてほしい」と思うことの間にギャップがあるために起こります。作る前に「本当の問題は何か?」をしっかり理解できていないことが原因です。
下のたとえ話の絵は一番左上がユーザーの説明、一番右下が本当にユーザーが必要だったことを表しています。


WhatCustomerReallyNeeded.jpg

せっかく作ったのに使ってもらえない

技術的にはばっちり動くシステムなのに、いざ運用が始まると「使いにくい」「分からない」という声が続出してしまうケースも多いです。

よくあるのは、画面がごちゃごちゃしていて何をしたらいいか分からない、ボタンがどこにあるか見つけられない、操作手順が複雑すぎて覚えられない、といった問題です。結局、みんな元の手作業に戻ってしまい、「あのシステムは使えない」という評価になってしまいます。

これって、せっかく頑張って作ったのにもったいないですよね。でも実は、「使う人の立場になって考える」ことができれば、多くの場合は防げる問題なんです。

2. デザイン思考って何?

使う人を一番大切に考える

デザイン思考の一番のポイントは、「使う人(ユーザー)のことを一番に考える」ことです。

これは単に「ユーザーの話を聞く」ということではありません。その人がどんな気持ちでそのシステムを使うのか、どんな環境で作業しているのか、何に困っているのかを、まるで自分のことのように理解することから始まります。

例えば、忙しい営業の人がスマホで移動中に売上を入力したいのか、それとも落ち着いてパソコンで詳細なデータを分析したいのか。同じ「売上管理」でも、使う人の状況によって必要な機能は全く違います。

大切なのは、使う人自身も気づいていない「本当の困りごと」を見つけ出すことです。多くの人は、自分が何に一番困っているのかを上手に説明できません。だからこそ、実際の作業を観察したり、じっくり話を聞いたりして、隠れた問題を発見する必要があります。

問題解決のための考え方

デザイン思考は、問題を解決するための考え方でもあります。 普通のシステム開発だと「どんな技術を使おうか」から始めることが多いのですが、
デザイン思考では「どんな問題を解決しよう」から始めます。

具体的には、以下のような流れで進めます:

  1. 共感する:使う人の気持ちや状況を理解する
  2. 問題を整理する:本当に解決すべき課題を明確にする
  3. アイデアを出す:解決方法をたくさん考える
  4. 試作品を作る:簡単な形で実際に作ってみる
  5. 試してもらう:使ってもらって改善点を見つける

重要なのは、途中で「あれ、これって本当に解決すべき問題だっけ?」と思ったら、遠慮なく最初に戻ることです。間違った問題を一生懸命解決しても全ての関係者にとって残念な結果になってしまいます。

3. システム開発でデザイン思考を使うとどんないいことがある?

デザイン思考をシステム開発に取り入れると、たくさんのメリットがあります。

みんなが喜んで使ってくれるシステムができる
一番大きなメリットです。使う人のことを考えて作ったシステムは、直感的で分かりやすく、仕事が楽になります。結果として、「このシステム、便利だね!」と言ってもらえるようになり、導入した効果もしっかり出ます。

失敗のリスクが減る
デザイン思考では、本格的な開発を始める前に簡単な試作品を作って、実際に使ってもらいます。これによって、「あ、これじゃダメだ」ということを早めに発見できるので、大きな手戻りを避けることができます。

チームのコミュニケーションが良くなる
「このユーザーのために、この問題を解決しよう」という共通の目標があると、開発チーム、デザインチーム、営業チームみんなが同じ方向を向いて話し合えるようになります。

他社との差別化
機能は同じでも、使いやすさで選ばれるシステムになれば、それは大きな競争力になります。

4. デザイン思考を取り入れるために大切なこと

デザイン思考をうまく取り入れるためには、いくつかのポイントがあります。

組織の考え方を変える
今まで「技術が一番」だった考え方を「使う人が一番」に変えるのは、簡単ではありません。社長さんから現場のエンジニアまで、みんなが「失敗してもいいから、ユーザーのことを考えてチャレンジしよう」という気持ちになることが大切です。

いろんな専門分野の人でチームを作る
営業、企画、経理や経理、事務部門、プログラマー、デザイナー、など、違う立場の人たちが一緒に働くことで、一人では気づけないアイデアが生まれます。お互いの専門分野を理解し合い、協力できる環境を作りましょう。

新しいスキルを身につける
ユーザーの話を上手に聞く技術、簡単な試作品を作るスキル、データを分析する能力など、今までとは違った能力が必要になります。Auto-it ではシステムの運用、改善を定着させるファシリテーターとしてシステム企画から運用まで一貫したサポートを提供します。

便利なツールを活用する
ユーザーの声を集めるツール、簡単に画面設計ができるツール、チームで情報を共有するツールなど、いろいろな支援ツールがあります。ただし、ツールに頼りすぎず、「何のために使うのか」を明確にして選ぶことが大切です。

効果を測って改善し続ける
「ユーザーの満足度は上がったか?」「システムの利用率はどうか?」「業務効率は改善されたか?」などを定期的にチェックして、さらに良くしていく習慣をつけることが成功の秘訣です。

まとめ

デザイン思考をシステム開発に取り入れることは、単に開発の方法を変えるだけではありません。
「誰のために、何のために作るのか」を常に意識する文化が必要です。

技術的にすごいシステムを作ることも大切ですが、それ以上に「使う人が幸せになるシステム」を作ることの方が価値があります。ユーザーのことを真剣に考えて作ったシステムは、必ず愛され、長く使われるシステムになります。

デザイン思考は決して難しいものではありません。
「相手の立場になって考える」という、人として当たり前のことを、システム開発の現場でも大切にするということです。
Auto-itでは"ユーザー目線のシステム開発" をモットーにユーザーとのコミュニケーションを大事にサービスを提供します。

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